福島ゼミは起業家が集う経営塾にも足を運びます。


■起業家の生の声を聞く。

福岡大学ベンチャー企業論。 後列右4番目~7番目福島ゼミ生(徳永、新井、栗田、衛藤)

来年度から福島ゼミ生2年の栗田です。福島ゼミ3年生と共に3月7日(木)にfabbit Global Gateway “ACROS Fukuoka”(福岡市) で開催された経営塾に参加してきました。
この経営塾は福岡大学で開講されているベンチャー企業論の一環として創業社長を招き、起業時の話や起業から現在までのヒストリーを聞くというものです。今回は株式会社タウンズポストの代表取締役社長、飯田剛也様のお話を拝聴しました。
飯田社長は自衛隊で10年間ご活躍された後、平成16年に年々上昇する“物流”のコスト問題に着目し、コストを削減した運搬サービス会社を起業されました。

■起業に必要な3つの要素
飯田社長は、会社を立ち上げるのに必要な要素を3つ挙げていました。“運”と“タイミング”、そして、“勇気”です。この中で1つでも欠けていれば、たとえ起業したとしてもなかなか上手くいかないと仰っています。また、どのようなジャンルで起業するかも明暗をわけると指摘なさいました。
私は起業を考える際、まず、どのようにすれば利益を上げることができるのか、その取り組みに独自性があるのか、社会的に問題はないのかとこの順序で起業を進めるものだと考えていました。しかし、飯田社長に重要なことは、「まず、社会性を考えることだ」と仰っています。いま、社会は何を求めているのか、既存のサービスでは支えきれていない社会の問題点はないのかといった発想の中に起業のヒントが潜んでいて、そのヒントを手がかりに市場を掘り起こし、マーケットを作っていく。そのような需要と供給が成り立つ会社を作ることが、企業の目的でなければならないとご指摘なさいました。
起業した会社の約半数以上が1年後に倒産するそうです。また、10年後には約5%の企業しか存続できていないとも言います。このような環境の中で、どのように生き残っていくのか。飯田社長は「金を増やして成功している会社になるのでは無く、顧客からいただく“ありがとう”を増やして成功している会社になる」ことが重要だと仰います。この言葉を聞いたとき、飯田社長の成功の原点はこの理念にあるのだと合点がいきました。
今回の勉強会は大学で学べる範囲を超え、実際に起業された方のお話を拝聴する良い機会となりました。起業する際は、どうしてもどうやって儲けるかといった会社の利益にばかりに目が向きがちですが、社会貢献を会社の理念に据えることが企業を長続きさせる肝と学びました。また、憶することなく社会人と会話する先輩方や福大の方々を目の当たりにして敬服するとともに、一刻でも早く近づけるよう努力しなければと気持ちを新たにしました。(福島ゼミ2年 栗田昌紀)