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2008.07.10 Thursday

けっぱるぞ(13)この60年を振り返って

 ♪♪ ハ○ス・バーモント・カレーだよ♪♪ リンゴとハチミツ、トローリ・・・・・♪♪ アキラ!カンレキ!?! 

 平成生まれの若者には分からないかもしれません。そういうTVコマーシャルがあったのです。

 おかげさまで、干支を5周することができました。この場をお借りして感謝申し上げます。ありがとうございました。

 といっても、私が敬愛する父は敢然と8周目に入ろうとしています。私はまだまだ「洟垂(はなた)れ小僧」です。とりあえず、6周の完走を目指したいと思います。

 さて、この60年です。私の軌跡をたどってみても面白くもなんともありませんから、誰かに託したいと思います。そうです、このブログで取り上げたことのある辻井 喬さんです。元セゾングループの代表、堤 清二さんから辻井 喬さんへのメタモルフォセス(変身)と言っていいでしょうか。ここにあの上野千鶴子さんがからみます。辻井 喬・上野千鶴子『ポスト消費社会のゆくえ』(文春文庫、2008年、全319ページ)です。

 上野さんは、かつてセゾンの社史を執筆した経験があります。その上野さんに社史の執筆を依頼したセゾンの度量も尋常ではありません。そういう経緯なので、この二人の対談もユニークこの上なき作品に仕上がっています。

 九州では馴染みが無いのですが、西武百貨店、そしてパルコは一時期、時代の最先端を走り抜いていました。後発であった西武百貨店が文化、芸術を標榜して知名度を上げ、顧客のロイヤルティを確保していきます。しかし、それは長続きすることなく挫折し、堤時代は終焉することになります。その経緯を上野さんが舌鋒鋭く問い詰めます。後日談のひとこと。

・・・

 「・・・・・そうした経緯があったので、対談はスムーズに展開したのだった。しかし、ゲラになったものを見てみると、漫才にたとえれば上野さんが突込みで僕がボケの役割を果たしていることが分かった。それはそれでいいと思う」(318ページ)。

・・・

 堤さんではなく、辻井さんの述懐です。「ボケ」と「突込み」と言っていますが、時に、検事と被告人といった印象を受ける場面に遭遇します。

・・・

 「上野 そうお聞きすると、やっぱり、部下が悪かった、というふうにしか聞こえませんが。

 辻井 責任者からデータを引き出すのはものすごく時間がかかるんです。・・・・・。

 上野 責任者を問い詰めても、実態がつかめないと?

 辻井 責任者から聞き出せても、私が幹部職員から聞き出すわけにはいかないから、なかなか全貌がつかめないんですね」(195~196ページ)。

・・・

 破綻の事後処理をめぐっての、21歳の年齢差を感じさせない、遠慮の無い攻防です。もちろん、「ポスト消費社会のゆくえ」を案じての対談であり、そのための総括であることは言うまでもありません。辻井さんの思いは複雑です。この60年を振り返ってのことです。

・・・

 「辻井 私がいま感じている危機意識の実態は何かと申しますと、世界が産業社会の終末を迎えているということです。変な言い方をすれば、これは社会主義の崩壊によって加速された危機だと思っています。東西冷戦がなくなってからの自由市場経済の堕落は、予想よりもはるかにスピードを増し深刻化してきています。・・・・・日本市場のスケールの縮小と、経営者の堕落は相当なスピードで進んでいる。ですから日本の市場経済もどこかに対抗軸をつくっておかないと、止めどなく堕落するだろうと思っています」(306ページ)。

・・・

 「これからの時代はもっとよくなるよ、と言ってあげたい」、若者たちに「重い負債を残さない」(316ページ)という思いで辻井、上野対談は終わっています。

 同感です。そこに私の6周目がかかっています。

 

 

 

 

 

 

投稿者:教員 | 2008.07.10 07:20 に投稿しました。

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COMMENTS

KGUのJYです。
宮崎先生、還暦まことにおめでとうございます。「還暦」は先生にあまりお似合いではないような気もしますが、やはり、おめでとうございます。

用事があって、先生に連絡を取ろうと思って、ここにたどり着いてしまいました。何度か拝見させていただいて、楽しく読ませてもらっています。

用件については、また別途連絡させていただきます。

speedy | 2008年7月11日 12:27 | 返信

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