海外で、これから日本へ出稼ぎに行こうと考えた人々の間で、次のような「注意」が囁かれているそうです。
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「日本での注意事項
日本に到着したら、やってはならないことが三つある。
1、パチンコをしてはいけない。
2、小指のない男に逆らってはいけない。
3、自転車に乗ってはいけない。
パチンコは日本を代表するギャンブルだが、外国人は決して勝てないことになっている。お店が裏で機械を操作し、勝てないようにしているのだ。
小指のない男はヤクザである。ヤクザに逆らうと、指を全部切られるか、ハラキリをさせられる。
最後に注意しなければならないのが、自転車だ。日本では自転車の運転が厳しく制限されており、外国人が不用意に乗るとすぐに逮捕されてしまう。自転車で逮捕されたら最後、場合によっては刑務所に入れられることもあるらしい」 (石井光太『日本人だけが知らない日本人のうわさ―笑える・あきれる・腹が立つ』光文社新書、2010年、225ページ)。
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そんなバカな!と思ってしまいます。とくに3番目は理解できません。しかし、石井さんによると、根拠があるというのです。
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「日本の警察は、不法滞在者を逮捕したいと思っていましたが、何もしていない相手をいきなりつかまえて調べるわけにはいきませんでした。そこで、自転車に乗っている外国人を見つけては『盗難自転車の確認』を口実にして引き止め、そのついでにビザの有無を調べて強制送還させることが多かったのです。逮捕されて国に帰された人々のこのような体験談が人から人につたわる中で、『外国人が自転車に乗ると逮捕される』という話に変わっていったのです」(226ページ)。
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日本に居ながらにして、私たちの知らない「日本」がありました。
暴力を振るう日本人というイメージが中国にはあります。
「日本人は下品な踊りをしながら、『これが中国人だ』と書いたプラカードをつけていた」(146ページ)、「日本人が中国人タクシー運転手に暴力をふるった」(148ページ)、「大阪で中国人がリンチにあって殺害された」(151~152ページ)、などいずれも悪意に満ちたデマが水面下で、あるいはデモの形になって表出しているのです。
デマや流言飛語は正直言って腹がたちます。石原慎太郎都知事だと、青筋立てて烈火のごとく怒るでしょうが、石井さんは冷静です。
シロをクロと言いくるめるようなデマであるとはいえ、その根底にある心情に注目しなければならない、と言います。
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「当時、日本と中国の関係は非常に冷え込んでいました。小泉純一郎首相(当時)がアジア各国の反対を押し切って戦犯が祀(まつ)られている靖国神社へ参拝したことで、中国政府も国民も日本に対して不満を抱いていたのです。なぜ、日本の首相は、中国を侵略して多くの人を虐殺した戦犯に敬意を評するのかと考えていたのです」(147ページ)。
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もちろん、笑うしかないウソもあります。
思い起こせば、「縮み志向」、李御寧(イーオリョン)さんが日本的経営を論じる際に使用した概念ですが、なんでも小さくする日本人というイメージは、外国でかなり広まっているようで、手のひらに乗るような数センチの小型ポニーや、人間をも小さくして「小さな軍隊」を作り上げたなどという噂まであるそうです(34~35ページ)。ちなみに、盆栽はBONSAIで国際的に通用する言葉になっています。
では、こうしたデマや噂話にどう接したらよいのでしょうか。
石井さんは「エピローグ」の最後で次のように述べています。
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「噂の中には差別的な内容のものもありますが、一方で楽しめるものも含まれています。すべてにキリキリとして態度で挑むより、ものによっては笑って済ましてもいいのではないでしょうか。少なくとも、私はできるだけ心の余裕を持って接することで、そこに含まれている人間の面白さを追及していきたいと考えています」(291ページ)。
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私たち日本人の品格が試されることになるようです。
念のため。
この本は、そうですね半分くらいが下半身の話、下ネタで埋められています。日本の男性にとっては、あまり名誉なエピソードが出てきません。石井さんが言うように「心の余裕を持って」読むことをお勧めします。
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