経済成長か環境保全か、どちらを重視する?と聞かれたら、「どっちも!」と答えちゃいけないかな、欲張りかな?
成長派は、経済が停滞しては雇用も生活も成り立たないと言います。他方、環境派はもういい加減成長したんだから、ここらで地球環境を守らないと、とんでもないことになると言います。
ウーム、迷ってしまいます。
でも安心、佐和隆光さんは「大丈夫!」と言っています。
・・・
「かつて私は、『地球温暖化を防ぐ』(岩波新書、1997年)を書き、『気候変動対策が経済成長を鈍化させる』という誤謬を根本的に正そうとした。しかしながら、今もって、くだんの誤謬は正されていない。だが、その後、世界経済の状況は一変した。自動車と石油を経済成長の原動力とする20世紀型資本主義は幕を閉じ、グリーン資本主義とでも呼ぶべき時代が到来したのだ」(『グリーン資本主義―グローバル「危機」克服の条件』岩波新書、12ぺージ)。
・・・
20世紀は「電力・石油の世紀」であって、このふたつの動力源によって資本主義は成長し発展してきました。ということは、20世紀は「二酸化炭素(CO2)排出の世紀でもあったわけです。佐和さんは、だから技術革新の軸も変わらざるを得ないと言います。
・・・
「『技術革新なくして経済成長なし』という命題は、21世紀においても真であり続けることだろう。だがしかし、21世紀の技術革新の座標軸は、20世紀のそれと比べて大きく様変わりを遂げることだろう。20世紀の技術革新は『より速く』、『より強く』、『より大きく』、『より高く』を目指していた。ところが、21世紀の技術革新は『低燃費』、『低炭素化』、『廃棄物最少化』、『再生可能』などを目指すようになった。その意味で、21世紀の先進諸国の経済成長のバネ仕掛けとなる技術革新のほとんどが、環境保全に関連している」(42ページ)。
・・・
グリーンの技術革新で経済成長させるということですね。でも、本当に大丈夫でしょうか?
これまで経済成長を促してきたのは、自動車やテレビ、電気冷蔵庫といった耐久消費財でした。21世紀の経済成長も、波及効果の大きい耐久消費財が必要だと思います。佐和さんは、それを太陽光パネルや電気自動車などに求めています。でも、随分と高いでしょう、消費者は受け入れてくれるでしょうか?
佐和さんは、市場の原理に任せては実現できないと言います。政府の役割、ケインズ的な財政出動、経済的措置に期待しています。
・・・
「経済的措置の代表例は、環境税と排出枠取引である。他に、割高なエコ製品の普及を促すための優遇税制、補助金などもあり得る。要するに、エコ製品の購入、省電力、公共交通へのシフトを促すインセンティブを仕掛けるのが経済的措置の狙いである」(162ページ)。
・・・
市場メカニズムを通して、消費者の選好をエコ製品に向かわせるようにするのが、経済的措置というわけです。なんか分かったような気がします。
おまけの一言。
・・・
「日本はソフトウェア産業のいずれをも不得手としている。日本が得手とするのはモノづくりである。不得手なソフトウェア産業を得手にしようとしても、それは一朝一夕にはかなわない。したがって、日本はハイテク製造業、なかんずく省エネ機器の製造に軸足を置いてのポスト工業化を目指すべきである。在来型の製造業は、新興国・途上国に任せておいて、日本はハイテク省エネ製造業に『特化』するべきである」(190ページ)。
・・・
内需と外需の双方とも、グリーン・ハイテクで行こうということですね。「経済大国」におさらばして「グリーン大国」か・・・・・なんかうれしくなってきます。
http://www.kiu.ac.jp/mt/mt-tb.cgi/1760
COMMENTS
コメントを投稿