川脇 慎也学長より皆様へのご挨拶

九州国際大学は、1930年に設立された「九州法学校」に始まります。
そこには、知識を授けるだけでなく、「塾的精神」のもとで互いに学び、鍛え合い、誠実で有為な人材を育てるという理念がありました。
その根幹には、信頼を土台に一人ひとりの可能性を引き出すという教育観があり、これが本学の原点です。
いま、生成AIの普及によって、学びのあり方は大きく変わりつつあります。
知識を得るだけなら、大学でなくとも可能な時代です。だからこそ、大学での学びには、知識を現実のなかで試し、その経験を次の場面でも生かせる実践知へと練り上げる過程が欠かせません。学問の蓄積と方法に照らして問いを立て、実践し、結果を検証する。うまくいかなかった理由も振り返り、考えを修正して、もう一度試す。
ここに、大学で学ぶ固有の意味があります。
私はこれまで、教室の内外で学生と向き合うなかで、学生は、学んだことを自分の言葉にし、実際に試し、その結果を振り返るときに大きく成長することを実感してきました。本学が目指すのは、一人ひとりの経験や関心を出発点に、教室で得た知識を地域、企業、自治体などの現場で確かめ、そこで得た気づきを次の学びに生かす教育です。こうした試行錯誤を確かな成長につなげるため、教職員が学生との対話を重ね、学びの状況をデータでも確かめながら、一人ひとりのつまずきや変化に応じて支えます。
八幡は、官営八幡製鐵所の創業を契機に、関連産業とともに発展し、日本の近代化を支えてきた地域です。
現在、北九州は、産業構造の転換や人口減少、医療の担い手不足に直面しています。本学は、法学、地域経済、国際社会の各分野で地域を支える人材を育て、教育と研究の成果を地域に還元してきました。2027年4月には、看護学部を開設します。連携協定を結んだ地域内4大病院をはじめとする医療機関と力を合わせ、この地の医療を担う人材を育ててまいります。これは、地域とともに進める新たな挑戦です。
キャンパスでは、ネパールやベトナムをはじめ、アジア各地から来た学生がともに学んでいます。
また、アジアや欧米の協定校へ学生を送り出してきました。多文化共生は、論じるだけの課題ではなく、日々の教育と学生支援に関わる実践です。この環境と協定校とのネットワークを生かし、異なる文化や価値観をもつ人々と協働し、地域と世界をつなぐ力を育てます。
授業、ゼミ、地域での活動、留学や国際交流、学生支援、進路支援を、一人ひとりの成長の過程としてつなぎ、学生自身が「何を学び、何を試し、どう変わったか」を言葉にできる教育を進めます。
さらに、中学校・高等学校と大学とのつながりを深め、生徒・学生が自らの可能性を段階的に広げられるよう、学園全体で学びを支えます。
失敗を恐れず挑戦できる大学へ。地域と世界の多様な価値観に向き合い、ともに学び合う大学へ。
地域からも、世界からも、選ばれ続ける大学へ。九州国際大学は、その実現に向けて歩みを進めてまいります。


