学長から学生の皆様へのメッセージ(動画)


九州国際大学の学生のみなさん、こんにちは。

厳しい規制の中での毎日、どんな過ごし方をしていますか?今の日本、いや、世界の状況は、地球上に生きているほとんどの人間が(100歳以上の方を除いて)かつて、経験したことの無い見えない敵との戦いをしています。

ちょうど100年前に“スペイン風邪”と呼ばれているインフルエンザのパンデミックがあり、多くの方が亡くなった事例がありますが、当時と現在とでは情報の量や質が圧倒的に異なるでしょうから、日々刻々新聞・テレビ・ネット上に感染状況が伝えられる今の状態は、私達にウイルスとの戦い以上に人間としての心の保ち方や行動規範が試されていると思います。

手洗いやマスク、外出は控えるといったマニュアルを守ることは当然ですが、そうした状況下で如何に平常心を保ち、他人に迷惑をかけない行動ができるかということが問われます。この際発想の転換をして、家の中で出来ることで、今迄自分がやってこなかったことにチャレンジするというのはどうでしょう。スポーツが苦手な学生は家の中で思いっきりストレッチ体操を試みる。逆に身体を動かす方を優先してきた学生は、ちょうど良い機会です。一日一冊ずつ本を読みましょう。とにかくスマホ画面でない活字を読んで見て下さい。あるいは家族と一緒の方は、徹底的に家事を手伝ってみる。部屋の整理整頓、幾らでも目標が出来てきそうです。

そうした行動の先に規律ある生活が見えてきたらしめたものです。その上で、自分自身や家族の事、友人の事から就職の事、社会や国のこれらのことといったことをじっくりと考えてみて下さい。

特に新入生のみなさんは、入学式も無く、教職員や新しい友人との出会いも無い訳ですから、非常に不安な納得出来ない日々を過ごしていることでしょう。みなさんのそうした気持ちを思うと、私も申し訳ないという思いでいっぱいになりますが、少しでもみなさんとの思いを共有したいと考えて、このメッセージを出しました。

厳しい時こそ、本当に大切なもの、真実が見えてくるものです。この度のことは、みなさんのこれからの人生への大きな指標となると思います。
大学としては、今回の新型コロナウイルスの影響で、経済的に苦しい状況の学生には、授業料延納や減免といった配慮等を考えています。

5月7日からはいよいよ遠隔による大学の講義が始まります。学生のみなさんはもとより、先生方も初めての試みです。お互いが慣れる迄は、スムーズにいかないことも多々あるでしょう。互いのコンタクトを密にして、先生方と学生のみなさんと一緒に作り上げるといった思いで授業が行われたら幸いです。

“冬来りなば、春遠からじ”。古来、人間は、心を奮い立たせて困難を乗り越えて来ました。

心を一つにしてみんなでがんばりましょう。

 

令和2年4月30日
九州国際大学
学長 西川 京子