本日(12月11日)、サラクルの学生2名とともに北九州市若松区のサツマイモ畑を訪れ、耕作放棄地に関する地域課題の視察を兼ねた収穫作業を行いました。
もともとは11月までに終える予定だったそうですが、イノシシ被害が重なり作業は大幅に遅延。今年は例年の2割ほどしか収穫できなかったといい、生産者の坂井さんは苦笑しつつも、畑を守り抜く強い覚悟を語ってくださいました。
坂井さんは民間企業で十数年勤務した後、家族の健康をきっかけに無農薬の食を追求し、職業訓練校や有機農法の現場で学びながら農業の道へ進みました。竹炭、卵殻、海藻といった自然素材だけで土を育てる“丁寧な農業”を続けており、その姿勢には芯の通った信念がにじみます。
本日の作業は、畝を覆うマルチシート(黒ビニール)を剥がし、農耕機械で芋を掘り起こし、一面に張るツタを草刈り機で回収するという本格的な内容。特に鹿児島出身の新徳くんは、初めての農耕機械ライド(操縦)に挑戦し、目を輝かせながら操作を楽しんでいました。
一方で、個人栽培ならではの課題も浮き彫りになっています。
坂井さんは「草刈りの遅れで電気柵に草が触れ、そこからイノシシが侵入してしまった」と悔しさをにじませます。畑に残る痕跡は、農家が日常的に向き合う現実の重さを語っていました。
今後は、サラクルの学生とともに鳥獣被害対策の検討や、加工・販売といった生産物の活用にも挑戦していきたいと考えています。大地と人、そして人と学びが交差するこの畑から、地域を支える新たな物語が始まることを期待しています。
【記事:日浦英樹(地域連携センター事務室)】





