ゼミでは、本物さながらに作られている本学自慢の法廷教室で模擬裁判を通じて学んでいます。今年も模擬裁判を行いながら、犯罪の成否や刑事手続といった刑事法を学んできました。それと同時に、法学部ではこの模擬裁判をオープンキャンパスの企画の一つに位置付け、来学の高校生のみなさんにも披露しています。毎年、誰もが関心を持てるようにと、昔話や童話などをアレンジしながら刑事事件にしています。
昨年は「マッチ売りの少女」を題材に刑事事件を展開しました。被告人は、マッチ売りの少女その人です。原作は、街角でマッチを販売するものの、ちっとも売れず、そのうちに寒さのあまり暖をとろうとして商品のマッチを使い始めます。ゼミでは当初、実は勝手に商品を使い込んだのではないかというあたりに事件性があるとして、これをもとに模擬裁判をしようと意気込んだものの、その後これをどう展開すると刑事事件になるのか、ゼミの中でもかなり苦心したのが去年の裁判でした。
結局、大幅に原作を作り替え、被告人・弁護人は、病床のお婆さんを救うためにした、やむを得ない行為だとして、緊急避難、期待可能性(これらの概念は法学部の刑法の授業で学びます)などを理由に無罪を主張するのですが、検察官は、マッチ会社の社員であった被告人が転売目的で商品のマッチに手を付けた、悪質な窃盗事件だとして起訴したのです。
さて、そんなわけで今年も物語から着想を得て、模擬裁判を展開しますが、オープンキャンパスも迫り、ゼミではリハーサルが始まりました。ゼミ生たちが裁判官をはじめ、被告人や証人など様々な役柄に扮して模擬裁判を展開します。4月に昨年の先輩の作品を「傍聴」して以来、後輩のゼミ生たちは、自分たちの模擬裁判を作成してきました。今年は「かちかち山」を題材として、タヌキをやっつけた「ウサギ」が殺人事件の被告人として起訴された模擬裁判です。どんな展開が待ち受けているか、それは傍聴してのお楽しみです。
今回はこの辺まで。次は、法廷で会いましょう。
※今年の模擬裁判は、7月25日土曜日開廷です。是非、オープンキャンパスに足を運んでください。
作成者 法学部 鈴木博康(教授)




