九州国際大学は毎年、九州・山口の高校生を対象に、100文字以内で思いをつづってもらう「Dream100 作文コンテスト」を実施しています。このコンテストは開学80周年の2010年から始まり、今年で7回目になりました。「100」には、開学100周年に向け、たゆまずに歩き続けようという決意とともに、高校生の夢が「満点」になるように、との願いも込められています。
この企画は、高校教育活性化の一助になることを期待した社会貢献事業です。
今年のテーマは〈失敗から学んだこと〉でした。九州・山口地区の計55高校から計8,162点の応募がありました。応募件数はこれまでで最高でした。芥川賞作家の村田喜代子氏(九州国際大学客員教授)を委員長とする選考委員会(5人)が審査、Dream大賞、読売新聞西部本社賞、FBS福岡放送賞、選考委員会特別賞各1点と入選96点を選びました。
このコンテストを通じて応募された皆さん一人ひとりがそれぞれの夢に向かって力強く歩んで行かれることを期待しております。
このコンテストに関する記事は8月21日(日)の読売新聞の朝刊に掲載され、表彰式は8月28日(日)、北九州市八幡東区平野の九州国際大学キャンパスで行われます。
最後に、多数の応募者をご支援くださいました先生方そして保護者の皆様方へ九州国際大学を代表して、心より厚く御礼申しあげます。
九州国際大学学長 堀田 泰司
受賞作品
Dream大賞 読売新聞西部本社賞 FBS福岡放送賞 選考委員会特別賞 入選 学校賞 講評
Dream大賞
ルーテル学院高等学校3年 岡﨑 晃大さん
小さい頃私は溺れた。海の先を見たかった。父には怒られたが勇気は讃えられた。ある哲学者が無謀と臆病の中庸と言ってたように時には大きな挑戦も必要であり、その中では失敗さえも栄光となると父から学んだ。
読売新聞西部本社賞
須恵高等学校2年 大鶴 比路さん
大好きだったおじいちゃんが癌で死んだ日の朝、私はおじいちゃんの顔を見ることもせずに家を出た。それ以来、家を出るときは必ず家族の顔を見て「いってきます」と言うようにしている。もう後悔をしないために。
FBS福岡放送賞
長崎明誠高等学校3年 日向 碧さん
日記を書こう。そう決めた。辛い出来事しか書けなくて、読み返すのも辛かった。今度は良い出来事だけを書こう。そう決めた。読み返すと幸せは毎日溢れかえっていることに気づいた。単純だな私。
選考委員会特別賞
小倉高等学校2年 中島 香子さん
弟の言動が気にくわず、大声をあげて怒鳴った私。弟との激しい口論の末、弟は私の携帯電話を壊した。だけど、本当に壊れそうになったのは、私と弟の心。携帯電話は壊れたけれど、守るべきものを教えてくれたんだ。
入選
- 小倉南高校 3年 岡部 朱華さん
- 小倉南高校 3年 吉村 霞織さん
- 小倉南高校 2年 山元 花恵さん
- 小倉南高校 2年 山田 寛太さん
- 小倉南高校 2年 高岡 惟さん
- 小倉南高校 3年 中村 さやかさん
- 小倉南高校 3年 山崎 泰雅さん
- 小倉南高校 3年 津野 詩音さん
- 青豊高校 3年 川添 修倫さん
- 青豊高校 3年 森 明日香さん
- 青豊高校 3年 成冨 愛望さん
- 九州国際大学付属高校 1年 木森 理梨香さん
- 九州国際大学付属高校 1年 藤河 芹夏さん
- 九州国際大学付属高校 1年 伊藤 美里さん
- 九州国際大学付属高校 1年 金森 未祐さん
- 九州国際大学付属高校 2年 小野 雅子さん
- 真颯館高校 2年 末松 律さん
- 糸島高校 2年 荻原 奈央さん
- 星琳高校 3年 田頭 初美さん
- 筑前高校 1年 城 大陸さん
- 明光学園高校 3年 山村 風花さん
- 筑紫丘高校 2年 大坪 英里奈さん
- 仰星学園高校 3年 工藤 華恵さん
- 古賀竟成館高校 2年 下田 京助さん
- 希望が丘高校 1年 桃崎 龍也さん
- 純真高校 3年 満田 恵利花さん
- 小倉東高校 1年 髙須賀 美南さん
- 小倉東高校 1年 上田 摩耶さん
- 福岡海星女子学院高校 3年 阿左美 莉怜さん
- 福岡海星女子学院高校 3年 朝倉 彩加さん
- 福岡海星女子学院高校 3年 瀧本 さゆりさん
- 折尾愛真高校 1年 林 明日香さん
- 折尾愛真高校 3年 川津 沙良さん
- 西南女学院高校 3年 進 宮美加さん
- 西南女学院高校 3年 中園 綺姫さん
- 須恵高校 2年 安藤 誉人さん
- 須恵高校 2年 前田 拓弥さん
- 須恵高校 2年 川端 航平さん
- 須恵高校 2年 栗原 希美佳さん
- 北九州高校 1年 佐々木 優樹さん
- 北九州高校 3年 梶原 大史さん
- 北九州高校 1年 奈須本 真希さん
- 北九州高校 1年 松井 咲月さん
- 博多高校 2年 鉄川 友唯さん
- 博多高校 1年 本郷 梓衣奈さん
- ありあけ新世高校 3年 木原 七星さん
- ありあけ新世高校 3年 倉吉 三沙希さん
- 福岡魁誠高校 3年 堀之内 真生さん
- 福岡魁誠高校 3年 山口 未優さん
- 小倉工業高校 3年 安倍 綾佑さん
- 小倉工業高校 3年 岩佐 龍之介さん
- つくば開成福岡高校 2年 吉冨 宇将さん
- 八幡中央高校 3年 小形 つかささん
- 八幡中央高校 3年 鈴木 萌さん
- 八幡中央高校 2年 橋本 佳奈さん
- 北筑高校 2年 木嶋 星華さん
- 北筑高校 2年 門田 唯人さん
- 北筑高校 2年 藤木 奈々佳さん
- 沖学園高校 1年 向江 萌生さん
- 宇部フロンティア大学付属香川高校 3年 岩谷 笑愛さん
- 野田学園高校 2年 池田 碧紀さん
- 野田学園高校 2年 山本 望弥さん
- 山口県桜ヶ丘高校 2年 末冨 瑞実さん
- 柳井学園高校 1年 善元 登己さん
- 田部高校 3年 吉川 紀里佳さん
- 美祢青嶺高校 3年 池田 舜さん
- 東明館高校 1年 池田 莉咲さん
- 太良高校 1年 坂入 未夢さん
- 別府商業高校 3年 友永 里穂さん
- 別府商業高校 3年 荒巻 星奈さん
- 東九州龍谷高校 2年 近藤 恵一さん
- 安心院高校 3年 佐藤 百夏さん
- 佐伯豊南高校 3年 飛彈 郁乃さん
- 大津高校 3年 平田 真弓さん
- 熊本学園大学付属高校 2年 藤原 香凛さん
- 熊本学園大学付属高校 2年 藤本 瑞基さん
- 高森高校 2年 宮田 楓さん
- 高森高校 1年 髙橋 美穂さん
- 千原台高校 3年 松本 奉子さん
- 長崎明誠高校 3年 藥王寺 萌香さん
- 創成館高校 3年 柴田 亜咲さん
- 創成館高校 3年 奥田 颯さん
- 聖心ウルスラ学園聡明中学校高等部 2年 久峩 ひな頌さん
- 聖心ウルスラ学園聡明中学校高等部 2年 坂本 知穂さん
- 都城聖ドミニコ学園高校 2年 冨永 南摘さん
- 鹿屋中央高校 3年 池川 武さん
- 鹿屋工業高校 3年 橋口 湧さん
- 錦江湾高校 1年 合志 愛夢さん
- 鹿児島実業高校 3年 中村 祐希さん
- 鹿児島実業高校 3年 重久 直姫さん
- 樟南高校 3年 池田 柊威さん
- 樟南高校 3年 野島 未菜さん
- 樟南高校 2年 大塚 望美さん
- 樟南高校 3年 金竹 光さん
- 樟南高校 1年 髙見 希歩さん
学校賞
最優秀学校賞
- 小倉南高等学校
優秀学校賞
- 樟南高等学校
- 九州国際大学付属高等学校
学校賞
- 宇部フロンティア大学付属香川高校
- 田部高校
- 柳井学園高校
- 山口県桜ヶ丘高校
- 野田学園高校
- 真颯館高校
- 沖学園高校
- 福岡魁誠高校
- 折尾愛真高校
- 福岡海星女子学院高校
- 北筑高校
- 仰星学園高校
- つくば開成福岡高校
- 小倉工業高校
- 八幡中央高校
- 青豊高校
- 糸島高校
- 西南女学院高校
- 純真高校
- 小倉東高校
- ありあけ新世高校
- 須恵高校
- 古賀竟成館高校
- 博多高校
- 北九州高校
- 希望が丘高校
- 太良高校
- 東明館高校
- 東九州龍谷高校
- 別府商業高校
- 佐伯豊南高校
- 大津高校
- ルーテル学院高校
- 高森高校
- 熊本学園大学付属高校
- 千原台高校
- 長崎明誠高校
- 創成館高校
- 聖心ウルスラ学園聡明中学校高等部
- 都城聖ドミニコ学園高校
- 鹿児島実業高校
- 鹿屋工業高校
- 錦江湾高校
講評
選考委員長 作家・九州国際大学客員教授
村田 喜代子
今年より佐木 隆三氏の後任として、選考委員長を務めさせて戴きます。
今回のテーマは『失敗から学んだこと』です。応募した皆さん方の数だけ、様々な失敗談が上げられていました。宿題を忘れた。習字ができなかった。体育の時間に怪我をした。ここ一番の大事なとき病気になった。転校する親友に別れの挨拶ができなかった。
思えば人間は何と沢山の失敗をしながら生きているのでしょう。そして失敗と反省を繰り返しながら生きているのですね。すると8,162篇の原稿の一つ一つが、貴重な逆転劇の足跡みたいに思われてくるのでした。私たちは人間だから失敗をするのです。機械やロボットではないからミスをしてしまう。
大賞に選ばれたルーテル学院高校の岡崎晃大さん(3年)は海で溺れた話です。沖が見たくて飛び込んだのですね。父親は彼の「無謀」な行為を叱り、そして見たことのない海の先へ「挑戦」したことを褒めてくれた。これは勇敢かつ危険極まりない行為です。諭した父とそれを受け止めた子に、ひと夏の出来事はいつまでも記憶されることでしょう。
他に、祖父の死に目に遭えなかった須恵高校の大鶴比路さん。辛い日記ばかり書いた長崎明誠高校の日向碧さん、兄弟喧嘩で壊れた心を書いた小倉高校の中島香子さんの作品に、忘れ難い共感を覚えました。