法学部・花松ゼミ3年生18名が、2024年8月19日から23日の4泊5日の日程で、長崎県対馬市と韓国・釜山広域市でゼミ実習を行いました。ゼミの研究テーマ「地域社会の持続可能性をどう考えるか」についてフィールドワークを通して深めようと、まずは国境離島で過疎化先進地である対馬を訪れ、現状と課題を学びました(前編・対馬編)。
過疎地や限界集落とよばれる地域の深刻な現状を実際に目の当たりにしながらも、対馬のために日々がんばっておられる市役所職員から地元NPO、観光事業者、企業、漁師、農家、猟師、移住者、市民の方々まで幅広くお話を伺い、地域の未来と様々な困難、課題をリアルに感じ取ることが実習の目的です。
一般社団法人daidaiと丸徳水産が企画された海と山のつながりを学ぶ体験ツアーに参加させていただきました。実際のイノシシの捕獲現場を見たり、ブリ養殖場の見学、タコ眼鏡を使用して海底の磯焼け状況を観察しました。普段体験することのできない現場体験を通して、自然環境の劣化がいかに地域の持続可能性に悪影響を与えているかを実感することができました。終了後は新鮮な魚介とシカ・イノシシのジビエBBQを堪能しました。
対馬で年々深刻化する海岸漂着ゴミ問題に取り組む一般社団法人対馬CAPPAさんにお話を伺いました。こどもたちに綺麗な海を残すことが対馬の持続可能性を高めるうえで重要であり、韓国の学生と一緒にゴミ回収活動を行ったり、環境意識の高い世界的企業とコラボレーションする取り組みを行っている姿は印象的でした。
持続可能な漁業によるコミュニティづくりをめざす合同会社フラットアワーさんでは、「漁業資源を痛めずに儲かる漁業」モデルをいかに構築するかが漁業を主要産業とする対馬の持続可能性にとって死活問題であるというお話に聞き入っていました。終了後は近くの海で泳いだり、対馬の高級ブランド「イナサバ」やクエなど新鮮なお魚を堪能させていただきました。
対馬編最終日の3日目は対馬北部の比田勝に移動し、対馬観光物産協会上対馬支所を訪問して韓国人観光客の動向についてお話を伺ったり、対馬市役所上対馬振興部で対馬の地域づくり全般について様々な質問をさせていただきました。そして、比田勝港から次なる訪問地、韓国・釜山広域市に向け、1時間半のフェリーの旅に向かいます。後半の釜山編を乞うご期待!
作成者 法学部 花松 泰倫(教授)