桒畑ゼミの学生有志が「救国(九国)狩猟隊」を結成し、学生2名がワナ猟の狩猟免許を取得しました。
「なぜ、学生が狩猟を?」と疑問に思われた方もいらっしゃるでしょう。私たちは、その疑問こそが、活動の意義であると考えています。
狩猟という動物の命を奪うセンシティブな活動に私たちが取り組み、その情報を発信していくことで、北九州の身近で親しみやすい自然で起きている現実を皆さまに知って頂き、考えるきっかけになればと思っています。
自然環境の問題は「人間 対 自然」という対立関係で捉えがちです。
しかし、私たちが美しいと感じる自然の多くは、農村での生活の積み重ねによって形作られてきたものです。ところが、人口減少や暮らし方の変化により、こうした身近な「二次的な自然」の持続可能性が危ぶまれています。獣害の問題は、人と自然の関わり方やバランスの変化によって発生した象徴的な課題と言えるでしょう。
狩猟隊結成にあたり、学生たちで名前を検討し、「九国」大にかけて「救国狩猟隊」としました。
少し大げさな名前ではありますが、地域や自然、そしてその未来を守る意識をもって取り組む決意の表れでもあります。
狩猟シーズンが始まり、本格的な狩猟活動に向けて、現在、猟友会の方々から狩猟技術を教わりながら、地域の農業や生活環境への被害情報を集めています。11月19日には、同じ八幡東区で農業実習などを行っている北九州市立大学の学生から被害実態についてヒアリングを行いました。学生同士でお互いの活動に魅力を感じ、連携の話も持ち上がりました。
狩猟隊の活動には、地域や猟友会、八幡東区役所など、さまざまな方々からご支援をいただいており、獣害問題を通じて、これまでにない地域のつながりと協働が生まれています。
本学では11月23日、24日に学祭「橘祭」が行われますが、獣害・狩猟の展示(両日)や獣害問題を使った鬼ごっこ(23日のみ)などを計画しています。お時間がございましたら、ぜひお越しください!
【文責:現代ビジネス学部准教授 桒畑恭介】