九国大法学部では、1年次、2年次、3年次の各年度末にゼミ対抗プレゼン大会を行っています。プレゼンのテーマは学年ごとに設定されており、法1年のテーマは、「法に関わる社会問題」でした。ほとんどの社会問題は何らかの形で法に関わると思われますが、明示的に法を意識させるため「法に関わる」と強調しています。
学生たちには、(1)このテーマの範囲で関心のあるトピックを探し、(2)問いを立て、(3)先行研究や関連資料を精査した上で、(4)根拠を明示しつつ自分たちの主張を行うことが求められます。
今回のプレゼン大会で各ゼミが選んだトピックは、下記表の通りでした。これらのトピックについて、例えば、自治体維持の観点から人口増加と人口流出抑制の施策をあわせて提案(トピック③)、ハラスメントの解釈が多様化している現状を明らかにした上で、より明確なハラスメントガイドラインの必要性を主張(トピック⑤)、「おとり捜査」の有効性と現行法に鑑みた実務上の限界を指摘した上で、より高い犯罪抑止効果が期待できる捜査手法を提案(トピック⑦)、といったプレゼンが行われました。いずれのプレゼンもよく練られており、学生のみならず同席した教職員も興味深げに耳を傾けている様子でした。
各ゼミが選択したトピック |
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① ICT教育 |
② 依存症 |
③ 過疎化 |
④ 自動車の自動運転 |
⑤ ハラスメント |
⑥ フェイクニュース |
⑦ 闇バイト(2ゼミ) |
各ゼミのプレゼン後には、学生同士で質疑応答が行われました。教員の目から見ても感心するような良質問(他の根拠を示し別角度から主張の確かさを問う質問や、発表内容を掘り下げてその魅力を引き出す質問)も寄せられ、ここでも1年間の学びを通した学生たちの成長が感じられました。
こうしたプレゼン大会の実施にあたり、学生たちは、例年、5週から7週程度かけてプレゼンの準備を行います。ゼミの時間だけでは足りないため、ほとんどの場合は課外時間をやりくりして対応することになります。
以前は終電を気にしながら大学で追い込みをかけるゼミも見られましたが、クラウドでの作業環境が整いノートPCも必携化されたことで、対面では集まらずオンラインで効率よく協働(議論、パワポ作成、発表練習等)できるようになりました。その結果、プレゼンの質は、ここ数年で目に見えて高くなりました。
プレゼン準備の様子についても、こちらの記事で別途紹介しています。ぜひご覧ください。
作成者 法学部