初めてインドネシアを訪れてから、あっという間に5か月が経ちました。
現地での生活を通して多くの学びがありましたが、中でも特に印象的だったのは、社会福祉施設を訪れたときの経験です。
今回は、そのとき感じたことを紹介します。
インドネシアに留学しておよそ2か月半が経った7月末、大形先生の紹介により、インドネシア社会省を訪問し、社会省社会保護・保障総局長のアグス・ザイナル・アリフィン氏に面会、さらにインドネシアの社会福祉施設を見学させていただく機会を得ました。
まずアグス氏から、現在のインドネシアの貧困問題とその支援プログラム、社会福祉システムなどについてお話を伺い、その後、実際に社会福祉施設を案内していただきました。
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インドネシア社会省社会省、社会保護・保障総局長アグス・ザイナル・アリフィン氏を訪問し、九国大卒業生の有田一平さんとともに、現在のインドネシアにおける社会支援や社会問題についてお話を伺った。
2025年7月30日(関係者撮影)
写真2 中央がアグス氏、左から2番目が九国大の先輩で今年春に卒業された有田一平さん、右から2番目が筆者。2025年7月30日(関係者撮影)
この施設は様々な背景を持つ子供たちを支援することを目的としています。入所の理由は、貧困や孤児であることが多いようですが、中には国内外で人身売買を受けて保護された子どもや、過激な思想を持つ組織・環境から保護された若者もいるとのことでした。さらに保護された若者の中には自らも過激思想に影響を受けたケースもあるそうです。
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問題を抱えた子どもたちの保護施設について説明を受していただいた時の様子。2025年7月30日(関係者撮影)
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問題を抱えた子どもたちの保護施設について説明を受けた時のパワーポイント資料から。施設では、子どもたちの心身および社会的回復を図るとともに、社会復帰に向けた職業訓練が実施されている。2025年7月30日(筆者撮影)
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子どもたちの保護施設を訪問し、スタッフの方々と記念撮影。2025年7月30日(関係者撮影)
日本で生活していると想像しづらい問題や背景を抱えた子どもたちが数多くいることを実感しました。
敷地内には、学校、宿舎、体育館等の教育施設のほか、カフェ、農場、調理場なども整備されています。これらの施設は子供らに手に職をつけることを目的としており、教育と職業訓練の両方を受けられる、子どもたちの人生に寄り添った施設となっていると感じました。
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左上から順に、教室、宿舎、職業訓練兼自家栽培用の農園と釣り堀、園内カフェとそのドリンク。いずれも問題を抱えた子どもたちの保護施設内の様子で、プライバシー保護のため子どもたちの姿は写っていません。2025年7月30日(筆者撮影)