法学部・花松ゼミ3年生16名が、2025年8月24日から28日の4泊5日の日程で、長崎県対馬市と韓国・釜山広域市でゼミ実習を行いました。ゼミの研究テーマ「地域社会の持続可能性をどう考えるか」についてフィールドワークを通して深めようと、国境離島で過疎化先進地である対馬、韓国第2の都市ながらも「消滅可能性都市」に認定された釜山を訪れ、現状と課題を学びました。
対馬では、過疎地や限界集落とよばれる地域の深刻な現状を実際に目の当たりにしながらも、対馬のために日々がんばっておられる市役所職員から地元NPO、観光事業者、企業、漁師、猟師、移住者、市民の方々まで幅広くお話を伺い、地域の未来と様々な困難、課題をリアルに感じ取ることができました。
現地視察としてイノシシの捕獲現場を見たり、ブリ養殖場の見学、タコ眼鏡を使用して海底の磯焼け状況を観察しました。普段体験することのできない現場体験を通して、自然環境の劣化がいかに地域の持続可能性に悪影響を与えているかを実感することができました。終了後は新鮮なシカ・イノシシのジビエBBQを堪能しました。
また、対馬で年々深刻になっている海岸漂着ゴミ問題に取り組むNPO団体を訪問したり、韓国人観光客の受入れで苦労されてきた対馬観光物産協会、持続可能な「儲かる漁業」によるコミュニティづくりをめざす水産企業でも貴重なお話を伺いました。その後頂いた対馬の高級ブランド「イナサバ」は絶品でした!
その後、日本の過疎先進地・対馬からフェリーでわずか1時間半で、大都会の釜山に渡りました。
韓国の観光まちづくりの成功例として有名な甘川(カムチョン)文化マウルを訪れ、大学近郊の実習地である枝光地区と比較しながら、アートによるカラフルなまちづくりの可能性に触れました。釜山で合流した現代ビジネス学部の山田良介先生(韓国事情)に、甘川文化マウルの歴史的背景についてレクチャーを受けました。
ウルバスと地下鉄を乗り継いで、蓮堤区(ヨンジェグ)にある釜山広域市庁(市役所)を訪問しました。庁舎の中にある「釜山未来都市館」を見学し、職員の方から釜山市の都市計画についてレクチャーを受けました。「消滅可能性都市」に指定された釜山市ですが、テクノロジーを利用して街を大転換させるビジョンが明確に示されており、日本国内での改革の進め方との違いについて考えさせられました。
釜山最後の夜は韓国人学生との国際交流ということで、東亜大学剣道部学生との焼肉交流会をさせて頂きました。互いに言葉が十分に通じない中、お酒と身振り手振りで必死に思いを伝え合う経験はとても貴重なものになりました。
4泊5日の長い実習でしたが、年末のプレゼン大会に活かされることが期待されます。どのようなプレゼンになるのか、今から楽しみです。
法学部花松ゼミInstagramアカウント
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作成者 花松 泰倫(法学部教授)