[法学部]対馬釜山実習(花松ゼミ)【釜山編】


法学部・花松ゼミ3年生18名が、2024年8月19日から23日の4泊5日の日程で、長崎県対馬市と韓国・釜山広域市でゼミ実習を行いました。ゼミの研究テーマ「地域社会の持続可能性をどう考えるか」についてフィールドワークを通して深めようと、長崎の対馬から高速船で韓国・釜山に渡りました。(後編・釜山編)。

日本の過疎先進地・対馬からフェリーでわずか1時間半、大都会の釜山にやってきました。ゼミ生のほとんどが初めての海外。見るものすべてが真新しく、好奇心と違和感が混ざった表情で釜山の街に入りました。対馬では「田舎の持続可能性」を実践的に考えましたが、釜山では「都会の持続可能性」を日本との比較のなかで考えます。

草梁(チョリャン)の日本総領事館に面した歩道に設置されている慰安婦少女像を見学して現地の物々しい雰囲気を味わった後、やや運転の荒いマウルバス(地域コミュニティバス)に乗って釜山の丘陵地に向かいます。韓国の観光まちづくりの成功例として有名な甘川(カムチョン)文化マウルを訪れ、大学近郊の実習地である枝光地区と比較しながら、アートによるカラフルなまちづくりの可能性に触れました。対馬から同行頂いている現代ビジネス学部の山田良介先生(韓国事情)に、甘川文化マウルの歴史的背景についてレクチャーを受けました。

甘川文化マウルから徒歩で10分ほど降りたところに、碑石文化マウルがあります。日本の植民地時代に建てられた日本人の墓石を使って建てられた家々が並ぶ集落で、韓国にとっては「ダークな歴史」を生かしたまちづくりの事例として注目されている場所です。でも、甘川文化マウルと比べて観光客は皆無。真面目なまちづくりが常に成功するわけではなさそうですが、それでもここから見える釜山市街地は絶景でした。

マウルバスと地下鉄を乗り継いで、蓮堤区(ヨンジェグ)にある釜山広域市庁(市役所)を訪問しました。庁舎の中にある「釜山未来都市館」を見学し、東亜大学名誉教授のチョンヒョンイル先生に釜山市の都市計画について講義を受けました。釜山市は、買い物や医療など生活に必要なインフラを徒歩または自転車15分圏内に収めるコミュニティづくり「15分都市」を目指しており、それに関するパネル説明が印象的でした。

釜山最後の夜は韓国人学生との国際交流!東亜大学剣道部学生との焼肉交流会をさせて頂きました。互いに言葉が十分に通じない中、お酒と身振り手振りで必死に思いを伝え合う経験はとても貴重なものになりました。今回の参加者は全員が初めての韓国滞在で、看板やアナウンスのハングルだけでなく、食事の取り方や地下鉄の乗り方、市場の臭いまで、すべてにおいて驚きの連続だったようです。

4泊5日の長い実習が福岡空港を終点に終わりました。他の実習の成果と併せて、年末のプレゼン大会に活かされることが期待されます。どのようなプレゼンになるのか、今から楽しみです。

 

[法学部]対馬釜山実習(花松ゼミ)【対馬編】

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作成者 花松 泰倫(法学部教授)