[ゼミ] カンボジアの小学校に絵本と笑顔を届ける(5) -Book to Read-


「その年その年の学生が得意なことをやる」藤井大輔(国際社会学科 准教授)
※前回までの記事まとめ

一般的なNGO(国際協力を行う非営利組織)であれば、ある程度メンバーが固定化され、人もまた継続的に関わることが多いですが、このプロジェクトは、毎年主要メンバーが代わります。そのため、如何に「継続性」を持つかということに腐心するわけですが、一方で良いこともあります。年によって学生の興味関心、得意なことが違うからこそ、多様なプログラムを実施できるのです。
ある年は音楽が趣味の学生が複数おり、小学校で簡単な楽器を作って一緒に演奏する企画を作りました。カンボジアの小学校ではまだまだ情操教育がしっかり行えておらず、音楽の授業はありません。私たちからすると簡単なリズムをとることも現地では難しかったのですが、学生には想定外でした。
また別の年は縄跳びを小学校に寄付し、跳び方についての教則カードを写真つきで作成し、現地で取り組みました。他にも紙芝居を作成し、相互に小学生たちが友だちや先生に役柄によって声色を変えながら読み聞かせをする双方向の学びの場を作ったりしました。迷路やクイズなどに取り組んだ年もあります。
「絵本を贈る」「情操教育に関わるプログラムを実施する」という、学生たちもこれまで経験してきたことを振り返りながら、現地で生徒たちと取り組むこの仕組みは毎年新鮮で私としても楽しみな活動です。
(つづく)