講義概要


大学院 法学研究科 講義概要

代表的な講義の概要についてご紹介します。

科目名(担当者名) 講義概要
伊藤隆雄 教授
税法特殊研究
 租税法は、日常生活や経済取引等社会との関わりが深く、実学的要素が強いものです。私は、国税庁を中心に大蔵省、衆議院調査局、大分大学・大学院などで仕事をし、現在本大学院で租税法を学び担当しています。本研究では、判例を検討し討議することなどにより、租税法の基本原理や解釈・適用を理解し、論文作成能力の向上を図ることを目的としています。
櫻井弘晃 教授
民法特殊研究Ⅱ
 本研究では、最新の家族法判例について公刊の判例集を使い判例研究を行います。家族は社会の基礎的集団であるがゆえに、その紛争は社会状況を反映するとともに、社会的な問題を提起することが少なくありません。したがって、そのような家族紛争を判例を通して考察することは、その家族紛争に内包される社会的問題を明らかにし、その解決法を展開する契機となります。本研究は判例研究を通して、論稿作成に欠かせないこのプロセスの実現を目的とします。
菅尾暁 教授
民法特殊研究Ⅲ
 民法は私人と私人の関係を規律する法律であるため、私たちの日常生活により密接に関連した法律であると言えます。すでに学部時代に習得している民法の基礎的知識をより一層深めるためには、具体的紛争を検討して、実際の問題の中でどのように知識・理論が用いられているかを理解することが不可欠です。また、具体的紛争を検討するに際しては、その時代背景などを含めて考えることが重要です。そこで、本研究では、いくつかの裁判例を対象として、事実関係・当事者の主張を整理した上で、法律問題の検討をしていくこととします。
鈴木博康 教授
刑法特殊研究
 刑法学が主として対象としている法規範は、一般刑法たる「刑法」です。学部課程においては、この刑法典を中心に、総論的、各論的展開をしてきました。修士課程における本講義は、これら学部課程で修得した知識をもとに、特別刑法、とりわけ経済刑法(特別背任罪、証券犯罪、独占禁止法違反、悪徳商法、脱税など)を考察していくことを試みとしています。このような複合的法域の考察は、高度専門職業人養成を念頭に置く本研究科の設置理念にこそかなうものです。また、諸君の今後の学術的展開に際し、専攻領域の差異はあれども、学問的裾野を広げる基礎ともなりうるでしょう。「裾広くして山高し」。
吉村真性 教授
刑事訴訟法特殊研究
 刑事訴訟の目的は、刑罰を実現するための真実発見をすることと、被疑者や被告人の権利に配慮した適正手続の確保にあります。確かに、裁判での手続を経て刑罰が与えられる点では、その目的が究極的には前者にあると言えるでしょう。しかし、刑事訴訟法は長い歴史の中で問題点を克服するために、拷問の禁止、不任意の自白の排除、違法に得られた証拠の排除といったルールを取り入れて発展してきました。
その意味では、刑事手続が人権尊重の点から妥当なものと言えるのかといった人権感覚が大きく問われる学問であると言えます。一方で、裁判員制度の実施により刑事裁判に対する市民の関心も高まってきており、その重要性は広く認識されつつあります。本講義では、判例や学術論文に関する議論や分析を通して、刑事手続に係る人権感覚と能力を養えるように、多様な手法で講義を工夫したいと思います。
山中亜紀 教授
政治学特殊研究Ⅱ
 日々のニュースを伝えるメディアはしばしば、「われわれは人類がこれまで経験したことのない変化や困難に遭遇している」という表現をします。しかし、一見「未知の事象」であったとしても、学術的知見を踏まえて観察・考察することによって、別の事象との共通性に気づいたり、歴史から教訓を引き出せたりすることも少なくありません。本研究では、現在われわれが直面しているさまざまな国際問題を、国際政治学の理論や概念に照らして分析し、問題の所在を的確に理解したうえで、今後の世界情勢を展望する視点を獲得することを目指します。

教員一覧

教員 主な担当 出身校 研究者情報
櫻井 弘晃 民法特殊研究II 専修大学(院) 研究業績
伊藤 隆雄 税法特殊研究 早稲田大学 研究業績
姜 信一 自治体行政論特殊研究 九州大学(院) 研究業績
神 陽子 行政法特殊研究I 法政大学(院) 研究業績
菅尾 暁 民法特殊研究III 九州大学(院) 博士(法学) 研究業績
鈴木 博康 刑法特殊研究 九州大学(院) 研究業績
藤 貴子 租税論特殊研究 九州大学(院) 博士(経済学) 研究業績
花松 泰倫 政治学特殊研究I 北海道大学(院) 研究業績
山中 亜紀 政治学特殊研究II 九州大学(院) 博士(法学) 研究業績
吉村 真性 刑事訴訟法特殊研究 龍谷大学(院) 博士(法学) 研究業績
橋本 聖美 行政法特殊研究II 広島大学(院) 研究業績